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フィンローダのあっぱれご意見番 第143回「マリア様は見分けられる?」

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chatでネタにしろと言われたような気がするので、 あえて今頃話題にしますが、 これを書いている頃、 深夜に「マリア様がみてる」というアニメが放送されていた。 というか、今もされているのかもしれない。 実は PSX を買う時に何を録画しようかという話で、 最初からターゲットになっていた番組だ。

 

※ 原稿を最初に書いている時点と雑誌が書店に並ぶ時点の隔たりがあるので「かもしれない」というような表現になっている。 執筆時に調べれば分かるのだが、面倒なので。

どういうアニメなのかというと説明しにくいのですが、 女学園ものです。多分。 このアニメの原作、 萌え単が話題になるよりはるかに前からプログラマーズフォーラムでは話題になっていて、 うまいことハマったというか、 多分「ハメられた」と思っている人も何人かいると思うけど、 世間でも何となくミニブームみたいな感じになっているようだ。 世間といっても、ネットの一部しか知らないのですけどね、私は。

  

PSXでハードディスクに録画した番組はDVDにダビングして保存できるため、 ある程度たまったらDVDに移動させてやれば、 ハードディスクが一杯で録画できない、ということはない。 ただ、このPSXだが、DVDにダビングするときに失敗することがあるのだ。 どういう原因でダビングに失敗するのか分からないのだが、 とにかく何枚もメディアをゴミにしてしまったのは残念である。 しかし、それはまだいい。 もっとスゴイのは、 ダビングの処理は正常終了したにも関わらず、 後でそれを見ようとしたらエラーで読めない、というようなこともあったのだ。

 

※ 某有名な激安ブランドでそういうことが多い。

こうやって失敗したDVDがどんどん溜まっていくにつれて、 ふと気になるのが、デジタル複製の補償金というアレである。 日本の著作権法は、 デジタルの録音媒体を買ったら自動的に著作権の補償金が含まれるようになっていて、 自作曲を録音しようが何しようが、 どこかの著作権団体が勝手に料金を横取りする仕組みになっている。 法律がそうだから仕方ない。 もちろん、自作曲だから著作権料返せ、というのは確か可能なのだが、 ただ、その場合には数円を取り戻すために何百円かあるいは何千円かけて申請することが必要だという仕組みだ。

 

※ 著作権法第三十条の2には 「私的使用を目的として、デジタル方式の録音又は録画の機能を有する機器であつて政令で定めるものにより、当該機器によるデジタル方式の録音又は録画の用に供される記録媒体であつて政令で定めるものに録音又は録画を行う者は、相当な額の補償金を著作権者に支払わなければならない。」 と定められている。 この条をみる限りでは、 自作曲を録音する時に補償金を誰かに横取りされるというのは法的におかしい。 自作曲の録音は複製権の行使であって、私的使用ではないからだ。

DVDの録画媒体も同様なのだが、DVD-Rのようなメディアは、 パソコンのデータ保存用に使うような場合があるので、 この補償金が価格に含まれていないものと、含まれているものがある。 なぜか知らないが、 私の買ったメディアの場合、 もちろんメーカーが異なるわけだが、 なぜだか補償金が含まれているものの方が販売価格が安いというのが謎。 そういう安いのを買うから後でエラーで読めなくなるのかもしれないが。

 

※ 物理的には同等のメディアのはず。 補償金込みの方が安いのは流通のマジックなのだろう。

で、気になるという話だが、 録画を失敗しているのに著作権者に補償金を払うという事実である。 せめて一度でも見ることができたらともかく、 結局、補償金だけ払わされて、何も記録できていない、 というふざけた状態になっているのだが、 この補償金込みのエラーメディア、1万枚とか10万枚集めて、補償金返せ、みたいなことはできないのだろうか? インターネットで募集したら結構集まりそうな気がするのだが。

というか、メディア代返して欲しいような気もしてきた。

§

  

プログラマーズフォーラムは何年も前からもうダメぽと言いつつ、 次期も存続するということで、 ホームページの構成から模様替えしようと考えているわけだが、 一時期 tapestry に手をつけてアレコレしてみたその後、 Forrest を少し使ってみたらこちらも面白そうなので、 どちらかを使ってサイトを構築しようかと考えているところだ。

 

※ ご覧のページは Forrest により構築されているはずである。

tapestry も Forrest も、Java に対応したフレームワークである。 tapestry は、servlet を使ったサイトの構築を楽にやりましょう、 という感じのモノだが、 Forrest の場合、ドキュメント生成フレームワークということで、 HTML だけではなく、単なるテキストのドキュメントや、 PDF の形式の出力まで生成することができるのが特徴だ。 いずれも、フリーソフトなので、興味のある方は気軽にダウンロードして試してみるとよいと思う。

  

さて、当然ながら、 自分でサーバー立てておけば何とでもできるわけだが、 @nifty のフォーラムサイトは使える機能が限られている。 フォーラムの公式サイトでservlet を使いたいなんて言うと、 もしかすると不可能ではないかもしれないが、 セキュリティのことを考え出すと、 かなり絵空事になってしまうわけで、 つまり、結局static なページを作って公開するという手順にせざるを得ないし、 その方が断然安全だから気分も楽である。 static なページというのは、CGIのような動的なページではなく、 HTML 形式のファイルとして用意しておくということだ。

 

※ 直ちにセキュリティに問題がある訳ではないが、 多分、ニフティが使わせてくれない。

tapestry というのは servlet なのだが、どうやって static に使うのだ? といいますと、実はtapestry で下書き用のローカルサイトを作っておいて、 その内容を一括ダウンロードみたいなソフトを使ってコピーしたものを、 公開ページに使ってしまおうという計画だったのである。

フォーラムのサイトのように、 複数の編集者が同時にコンテンツを少しだけ変更するような場合、 Webコンテンツマネージメントのシステムをきっちり構築しておかないと、 変更したのに公開されていないみたいなトラブルが多発して訳が分からないことになりかねない。 そのマネージメントのところを Tapestry を使った servlet で作りこんで、 ライターの管理だとか、履歴の保存とかを確実にしようという話である。

Forrest の場合、 サーブレットのためのコンテンツを生成することもできるが、 static なページを作る機能が最初から用意されている。 ということで、 最近あまり時間もないし、 Forrest を使ってみるかという気になって、 実際使ってみた。 インストールとか超簡単なので、 そういう話は全部省略する。 もちろん罠はたくさんあるのだが、 私の裏ページを実験的に Forrest で作ろうとしているので、 そちらに格闘記を発表するつもりだ。 さしあたって、 発表するためには Forrest を使いこなさないといけないというのが一番多きな罠である。

Forrest を使ってみて真っ先に気になったのは、 デフォルトのスキンで表示すると、選択されているタブが読めない、ということだ。 背景が暗いのに、字がさらに暗いのである。

Webサイトの中には、 プロが本当に設計したのかと疑ってしまうほど色選択がおかしなサイトもあるようだが、 最近ちょっと思うのは、 見やすいとか見にくいというのが、本当に分かっていないのではないか、 ということだ。 この色とこれだと見にくいとか、 そんなの実際に見れば分かるでしょ、 と思いがちなのだが、 実は専門家がそれを見ないと分からないのではないか。 毎日少しずつ暗い所でモノを見る訓練をすると、暗闇でも本を読めるようになる…とかいう忍者の修行みたいな話はないと思うが、 もしかしたら、 何か特殊な遺伝子を持っているのか宇宙人か知らないが、 どんな微妙な色の差でも分かるという人がいるのかもしれないし、 だとすると Forrest の開発スタッフはスゴイのかなー、とか思ったのだが、 念のため選択されているタブのところのソースを見てみた。

---- List 1 ----

<font color="#ffffff" size="2" face="Arial, Helvetica, Sans-serif"><b>
<a class="base-selected" href="../diary/index.htm">日記</a></b></font>

color が #ffffff と指定されている。これは白である。 最も明るい色のはずだ。 しかし画面を見るとどう見ても文字の色は黒なのである。 はて、と思ってよく見ると、base-selected というクラスが指定されている。 これは一体? そこで、 %FORREST_BASE%/context/skins/forrest-site/css/page.css を見たら、こんなことが書いてある。、

---- List 2 ----

 .menu .base-seleted {color: #000000; }

何と、クラス側で色をさらに指定していた。#000000 は黒だ。 これでは最初に font タグで color を指定してもムダというものである。 というわけで、これを #FFFFFF に変更してみて、 サイトを再構成してみた。 しかし何も変わらない。

何故なんだ? というか、seleted って何? セレッテッドでしょうか。 と思いつつ、seleted を selected に修正して再構成。 でも全然変わらない。 というか、どう見てもこれって .menu じゃないか。.tab とは無関係なのでは。 .tab の指定ってどこにもないような気がしたので、 List 3 のような指定を追加してみる。

---- List 3 ----

 .tab .base-selected {color: #FFFFFF; }
 .tab .base-not-selected {color: #000000; }

これでも変わらない。これは何故かというと、 List 4 のような指定があるからだ。

---- List 4 ----

 .tab a:visited { text-decoration : none; color: #2A4A6D }

一度見たページの場合にリンク色を変更するという仕組みが優先されているのでは? a:visited のカラー指定を無効にしてみると、 やっと選択されているタブの文字が白で表示された。

で、とりあえず意図した表示にはなったのだが、 こういうのはやはり Forrest の開発サイトに feedback した方がいいと思うのである。 ただ、 どこからどこまで開発者が意図した動作なのかよく分からない。 visited のサイトは色を変えたいとか、 選択されているタブは別に読めなくてもいいとか、 そういう深い意味があるのかもしれないし。 もっとも、seleted だけはそりゃないと思うわけだが。

  

という感じで、 今回はこれで、ごきげんよう。

 

※ 「ごきげんよう」は「マリア様がみてる」で出てくる挨拶。

参考サイト

Jakarta Tapestry
http://jakarta.apache.org/tapestry/

Forrest
http://xml.apache.org/forrest/

  

(C MAGAZINE 2004年5月号掲載)
内容は雑誌に掲載されたものと異なることがあります。

修正情報:
2005-04-14 注釈追加版を公開。
2006-02-28 裏ページに転載。

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