最近ずっと聴きたかったのだがなかなか機会がなかったので放置したままになっていた。TSUTAYA がアルバム4枚で1000円というキャンペーンをやっていたので、今度こそと思って本気で探したらやっと見つかった。思ったよりもちょっとだけゆっくりした歌だった。
作詞は北山修氏。フォーク・クルセダーズというグループだった。精神科医としても有名である。フォークといえば「戦争を知らない子供たち」や、先日紹介した拓郎の「人生を語らず」のようなメッセージ的な雰囲気のものと、この曲のようにどこまでもピュアなロマンチシズムを追求したもの、二路線が王道なのだが、その中でもこれだけ恐ろしく澄み切ったイメージを描き切ったものは絶対に珍しい。
この歌からは何も分からないのである。「あの人と肩並べ見たあのときの 青空の済んだ色は初恋の色」というのだ。あの人はさすがに恋人に決まっているし、そうでないと話にならないが、あのときというのは一体いつなのか、一体なぜ青空なんか見ているのか。その後の夕焼けのシーンになって、想い出というのは一体何なのか、なぜ瞳がうるんでいたのか、何も語ってくれないから、聴く人はそれを全部勝手に補完することになる。
だから、この曲を聴く人の頭の中には、ここには出てこない、そして決して実現しなかった空想の世界の、4番、5番の歌詞が鮮明に浮かんでくるのである。
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です。