東京に出てくる、上京するというモチーフは数多くの歌に使われている。東京というのは憧れの地であり、残酷な街であり、いつもほんの目の前にある幸せにあと少しの所まで来たのに手が届かない、挫折して昔いたところに戻るための経過点なのだ。
そんなに東京の曲があるのか、と思って数えてみたら、今までにこのブログで紹介した歌の中にもちょっとだけ出てくる。ちょっとしか出てこない。明らかにこれは東京だろう、という感じだけど何処なのか分からない、というのが意外と多い。歌の中に出てくる東京は、実はどこにもないのかもしれない。仮想化した世界なのか。
それにしても、なぜ東京に憧れるのか。今もそうなのか。インターネットが普通になったら、どんなに遠くにいる人もパソコンの画面の中に居るという時代になってしまった。東京もそこにある。それでもやはり、全てはそこに向かっていることに変わりない。この曲はとても多くの人の気持ちを代弁していて、だから見てくれがどんなに変わっても、東京が東京である限り、いつの時代にも歌われ続けているに違いないのである。
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です。