去年の11月に「元気を出して」を紹介したときに、この歌は歌詞が出ていないので残念と書いたのだが、いつの間にか登録されていたので紹介しておきたい。薬師丸ひろ子さんでうたかた。作詞は吉田美奈子さん。参照数がまだ2桁なのは、登録されたばかりなのかもしれない。薬師丸ひろ子さんの曲から数曲選べと言われたら絶対に入れる一曲なのだが。
歌詞は天国(そら)に旅立つ男を見ている、残された女からの視点で、つまりそういうことなのだろうと思う。「あなた」が誰なのかは歌詞には出てこないし、望んだ「束の間の夢」も分からない。鍵(キー)というのは一体何なのだろう、それも分からない。全部分からないが、もしそういう経験があるなら、全部通してみると全部分かる、そういう内容なのだ。本気で夢を追い求める人は、それ以外のものをたくさん犠牲にすることになる。うたかたという言葉からは人魚姫を思い浮かべる。人魚姫は一番大切なものを守るために自分の命を引き換えにして泡沫になってしまうのだ。それは幸せなことだったのだろうか。輝く海を見た人はたくさんいると思うが、その海面の煌きをダイヤモンドの泡沫(あわ)と喩えたセンスに脱帽したい。そしてうたかたとなって消えたものが心と共にあるというのがリアルに寂しい。
曲はオケをバックにしっかりリズムが刻んでくれるのでそうとう深い感じなのだが、澄んだ歌声がそれでも勝っていて、歌に全て惹き寄せられてしまう。
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です。