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フィンローダのあっぱれご意見番 第108回「宛先不明」

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ユーザインタフェースに関して調べてみて、 フールプルーフとフェイルセーフの話が意外と話題になっていることを知った。 特に面白いと思ったのは、コネクタの形状である。

家庭用に供給されているAC100Vのコンセントをよく見ると、 左右(上下になるように配置した例はあまりないはずだ)の差込口の大きさが 微妙に違っているはずである。 しかし、大部分の2PのACプラグは、逆挿しできる。 どちらの方向に挿しても、あまり動作上の問題がないからだろう。 これってフェイルセーフ?

  

乾電池は直流でプラスマイナスがあるけど、 交流100Vってそうじゃないからどっちに挿しても同じ? 実は、ACにも極性はあるのだ。 AC100Vの一方は接地されていて、大地の電位と同じになっている。 これをコールド側という。 もう片方が大地に対して100Vの電圧となっていて、ホット側という。 ホット側とコールド側の識別は簡単だ。 触って感電すればホット側である。 コールド側に触れても感電しない。 蛇足だとは思うが、大変なことになるので、実際に触ったりしないように。

 

※ 本当に知りたいときは、 検査用のドライバーを使う。

さて、確かにAC100Vのプラグは逆挿しできるが、 オーディオマニアの人はご存知の通り、 オーディオ機器の中には、AC100Vのプラグの挿し方で音質が変わるものがあるそうだ。 この種の電子機器では、AC電源はすぐに電圧を下げて整流されてしまう。 その意味では動作上の問題はないはずだ。 ただし、接地されている側が内部回路のどちらに接続されるかによって、 ノイズの影響に差が出るというのである。 実際聞いてみると明らかな差が出るというのだが。

2Pのコンセントの場合、 コンセントの溝がやや長い方をコールド側にすることになっている。 ところが、家庭内の配線工事で逆になっていることもあり、 信用しない方がいいという噂もある。 どちらがアースか分からないから、 逆に挿しても構わない。 というか、 むしろ長い方がアースという固定観念を破壊し、 アースとしては使わない方が現実的かもしれない。 とすれば、これは一種のフールプルーフなのか。

パソコンの場合は3Pのコンセント・プラグが使われているものが多いようだ。 3Pのプラグは、2Pのプラグに加えてもう1つ、他の2つよりも長いプラグが付いている。 これがアースである。 なぜアースのプラグが一番長くなっているのか、というのは試験に出る問題で、 普通に挿入すれば最初にアースが接触する、というのがポイントなのだが、 この技は他のコネクタにも使われている。

プラグの長いものから接触するとか、 プラグではなく周囲のシールドの所から接触するとか、 これは一種のフールプルーフだという。 言われてみればそうなのだが、 知らないとなかなか気付かない。

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Webではずっと前から話題になっていたのだが、 やっとWebサイトの内職商法がマスコミでも話題になっているようだ。 手口は、まずサイトの作り方を学んでいただき、 試験に合格した後は仕事を斡旋するので、 その収入で教材費は取り返せますと勧誘するというもの。 教材は50万円程度のCD-ROMらしい。 その通りなら問題ない、とか思った人はどこか抜けている。 以前紹介したように、 50万円程度で実用的なサイトが作れるようになるのなら安い話だが、 実際はよほど適性がある人でもなければ仕事は無理なのだ。 なお、この教材ですが、とても50万円の価値はないという人もいるようだが、 私は内容を見たことがないので判断は控えたい。 内容には興味がありますけど。

 

※ 仕事を斡旋してくれなかったり、 ほとんど金にならないような仕事だったりする訳だ。

ユーザインタフェースの話題で、実際のサイトで、 ボタンの配置とか色の話を調べてみた。 この基本中の基本がなっていないサイトが、いくら何でも多すぎる。 しかも、それが官公庁の公式サイトだとか、 超一流企業のサイトだったりするので、世の中何か間違っていると思う。 小学生でも分かるようなことが実現できていないサイトすらある。 例えば、インパクのトップページ。 何回か変更はあって改善されているようだが、 この原稿を書いている時点では、 「テキスト版」へのリンクがグラフィックイメージになっている。 テキストしか表示できない人を排除したいのかもしれない。 もっとも、イメージにはALTが指定されているので、 Netscape 4.7で見れば、バルーンヘルプの表示が出てくるようだが。

 

※ テキストしか見えない人が選択できないと、 テキスト版へのリンクは機能しない。

インパクって何、という人がまさか今頃いるとも思えないが、 それにしても、問い合わせ先が住所と電話番号だけというのが、 大雑把に状況を理解していただくヒントになると思う。 今時、メールアドレスもないというのがインパクトがあってよいのかもしれない。

 

インパクを笑え!

インパクというのが一体何を目的にしているのか、 未だにさっぱり分からないのだが、 助成金を企業にばら撒くためとか、そんなことはないだろうと思うが、 どうも個人的にはインパクを見るよりも、 ヤフーで見つけたタイムリーなサイト見ていた方がよほど面白いような気がする。 ただ、インパクに参加しているサイトには、なかなか面白いものもある。 しかし、1月に公開されたページの誤字が4月になっても直っていなかったりするのは、 誰も見ていないのか、見ている人が誰も教えないのか。

 

※ サイト作成を外注していて、 担当者に連絡が取れない、というのがあるかも。

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インターネットの利点って何だろうか。 その昔、パソコン通信というサービスがあって(今もあるらしい)、 双方向性があるメディアということで一躍話題になったものだが、 実はインターネットの場合も、 フィードバックが簡単だというのが極めて大きなメリットである。 サイトの中に、ちょっと気付いたことでもお知らせくださいとか、 連絡先のメールアドレスを書いておくだけで、結構教えてくれる人もいる。 実は私の場合は、メインのサイトがどうも凍結状態で、 裏ページと読んでいる戯言日記のようなサイトが真のメイン状態なのだが、 この日記にちょっとしたことを書いたら、 全然知らない方からメールが来ることがあってありがたい。 できるだけ返事は書きたいと思っているのだが、 ずぼらなもので、忘れてしまっているのもあると思う。申し訳ありません。 でも、メールはちゃんと読んでいるし、 ウィルスメールはちゃんとプロバイダに連絡しています。

 

※ もうそろそろ無いんじゃないか、パソコン通信。

どうもアドレスを書いたらspamとかウィルスメールもわんさか来るのは仕方ないらしい。 ウィルスメールが来た場合、送信元のプロバイダに連絡してみると、 プロバイダによって対応の方法が違って面白い。 今まで一番ウケた某プロバイダの場合、 まずメールのヘッダを送ってみたら、それだけでは分からないから メールまるごと回送しろという指示が来た。 確かに、ヘッダだけでは、内容がウィルスなのか、 それとも単なる人騒がせな無害のプログラムなのか分からない。 にしても、ウィルスそのものが添付されているメールを回送するなんてのは、 どうも穏やかではない。 回送した後に裏切られて、phinloda からウィルスが送られてきた (いや、そりゃその通りなんだけど)などとその筋に報告されたらどうしよう、 とか奇妙なことも一瞬考えたりしたが、 とりあえず送れというのだから送らないとかえって怪しいかと思って、 まるごと回送してみた。

すると、丁寧な返事が早速返ってきて、 添付ファイルは次のようなウィルスであると思われます、とかいう。 それは私が最初に教えた情報の通りだろ。 ずっこけた話だが、対応としては別におかしくない。 なお、削除することをおすすめしますとのことで、確かにその通りですけど。

§

ちなみに、ウィルスらしきメールというのは、 私の経験では、本文内容なしの添付ファイルだけでやって来る。 これをウィルス検査ソフトで調べると、何か感染しているというレポートが出るので、 具体的なウィルスの名前をメモしておいて、 該当のメールのヘッダ部分を調べる。 Netscape Messenger なら、 「表示」メニューの「ヘッダー」を「全て」に指定すれば、ヘッダーが表示される。 その最初のいくつかは、Received: で始まっていると思うのだが、 おそらく、時刻が新しいものから順に並んでいると思う。 メールがサーバを経由する毎に Received: の情報が追加されるのだ。 最も新しいものは、 おそらく使っているプロバイダのメールサーバから送られてきたという情報になっているだろう。 問題は、最も古いもの、つまり、最初に送った情報である。 fig.1 は実際に送られてきたウィルスメールのヘッダの一部を伏せて紹介したものだが、 Received: 行をみると、from (1) by (2) with (3) for (4) のような4つの情報の後に日付が付いている。

---- fig.1 メールのヘッダ ----

Received: from aaaaa.aa.aaa.aa.jp (aaaaa [nnn.nnn.nnn.nnn]) by
        ***.***.**.jp (8.9.3+Sun/3.7W) with ESMTP id RAA01737 for
        <phinloda@**.**.**.**>; Sun, 15 Apr 2001 17:49:59 +0900 (JST)
Received: from bbbbb.bbb.bb.jp by aaaaa.aa.aaa.aa.jp (3.7W/HMX-13) id
        RAA04116 for <phinloda@**.**.**.**>; Sun, 15 Apr 2001 17:49:58
        +0900 (JST)
Received: from computer (XXXXX-XXXXX.XXXX.or.jp [nnn.nnn.nnn.nnn]) by
        bbbbb.bbb.bb.jp (8.9.3/3.7W) id RAA24645 for
        <phinloda@**.**.**.**>; Sun, 15 Apr 2001 17:49:49 +0900 (JST)

---- fig.1 end ----

ここで問題は、一番下の行の、 Received: from computer (XXXXX-XXXXX.XXXX.or.jp [nnn.nnn.nnn.nnn]) という情報だ。 ここがウィルスメールの送信元である。 そこで、こんなメール来たけど、どうよ、 という問い合わせをプロバイダに送るわけだが、 じゃあどこに送るかというと、 この例だと、XXXXX-XXXXX.XXXX.or.jp を管理しているプロバイダに送ればよい。 例えば、何々@nifty.ne.jp というメールアドレスなら、 プロバイダが@niftyだと分かるから、@niftyのしかるべき部署に連絡すればよいのである。

ところが、この「しかるべき」宛先が、実際どこなのか分からないのだ。 ちなみに、ウィルスメールを受け取ったら連絡を、 というような指示が書いてあるサイトはまだ見たことがない。 経験的に、 プロバイダの連絡先は「お問い合わせ」という名前のリンク先に、 メールアドレスが書いてある場合が多いのだが、 個人的には、こういう時はどうするかといえば、そりゃもう黙って削除 して何もなかったことに するのが一番楽だと思う。

  

(C MAGAZINE 2001年6月号掲載)
内容は雑誌に掲載されたものと異なることがあります。

修正情報:
2006-03-11 裏ページに転載。

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