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フィンローダのあっぱれご意見番 第174回「MIFES8」

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また新しいpcを買ってしまった。 といっても、今まで使っていた VAIO BX と殆ど同じ機種である。 今使っている pc は、 実は一部故障していて、 騙し騙し使っているのだが、 やはり仕事(仕事って何?)に使ったりしていると不安もあるし、 修羅場で動かなくなったりしたら冗談ではないので、 さっさと修理に出したいのだ。

その前に使っていたのは VAIO Z という pc である。 修理中にこれを使うという手もあるのだが、 実はその VAIO Z も故障してしまった。 液晶画面がどうもおかしい、 というか、液晶の故障というよりも、ディスプレイコントローラーか、 そのあたりのメモリ異常っぽい。 昔、TP535 を使っていたときに、1色でなくなったことがあったが、 あれと似た現象だと思う。 ただ、ゴミの出るパターンが画面全体に散らばっているので、 文字が認識できない程度に乱れている。 これは実質的に使えない。

もちろん、VAIO Z を修理すればいいのだが、 こちらは保証期間が切れてしまったので、 有償修理ということになってしまう。 それも、もしかしたら10万円弱…となると、 うーむ、という感じになる訳だ。

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わざわざ同じ機種を買う理由はいくつもある。 使い慣れているということも大きい。 ボタンやコネクタの配置が全て同じなのだ。 …と思ったのだが、実際に納品されてきたのを見たら、 DVDドライブが本体右側に配置されているのでびっくりした。 前機種は、左側に付いていたのである。 これに伴い、イヤホンジャックの位置とかも変わっている。 とはいっても、大した違いではない。

もう一つ大きい理由が、 付属機器、特に電源周りの流用が可能であること。 これは以前も同じようなpcを2台持っていたときに痛感した訳で、 今回は、バッテリー、AC電源アダプタがおそらく共有できるだろう、 と踏んだ。 バッテリーは購入すると2万数千円もするから、 予備を買うのも結構勇気がいる。 今までのものが使いまわせるというのは大きなメリットなのだ。

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さて、pc を移行するには、 ソフトウェアとかデータを移行することになる。 完璧に移行するのなら、 ソフトを全て移行する必要があるが、 ここではあまり使わないソフトは無視していいだろう。 今回考え込んだのは WZ Editor である。 実は WZ Editor を未だに手放せないのだ。 HTML や XML のテキストなら、 Eclipse で書くこともあるのだが、 多数のテキストファイルを開いたままであれこれ書いていく、 というスタイルに慣れていると、WZ Editor のように、 大きなファイルを快適に開けるエディタは重宝するのだ。

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ところが、そこでふと思い出したのが MIFES である。

その昔、MSX とか X68 とかいう伝説のパソコンが現役だった頃、 PC-9801 という伝説のパソコンが出現した。 MIFES は、この PC-9801 に対応したエディタとしてデビューした。 当時のパソコンの環境は、 CPUのクロックが数MHz とか、 メモリが128KB とか 256KB という時代である。 今に比べると 1/1000 のリソースしかないそのマシン上で、 MIFES は実に快適に動作した。 熱狂的なファンもいたと思う。

  

そのMIFES が今でも販売されているという。 Windows 版で、MIFES8 という名前だからバージョン8という意味なのだろう。 体験版がダウンロードして使えるというので、 試しに体験してみようと思い立った。 なお、体験版は30日しか使えないが、 その間、全ての機能が使えるというのもありがたい。 体験版は機能制限、というようなソフトウェアは、 結果的に評価もできないことが多いのである。

 

※ MIFES8 は結局試用期間が終了したので正式購入し、 Windows XP で 今も使っている。

使ってみると意外と使える、という感じがした。 多少は動作がおかしなところもある。 例えば新しいウィンドウを開いたときにフォーカスが移動しない、 というようなことがあってたまに混乱する。 巨大なファイルを大量に同時に開くと開けなくなることがある。 もっとも、私の場合、巨大なファイルというのは100MB以上のサイズだったりするので、 開く方が無理なのかもしれない。

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MIFES の前って何だったろうか。 CP/M の時代には、MordMaster とか WordStar というエディタがあった。 その前は、pc といえば BASIC の時代である。 パソコンの電源を入れたら、 OK と表示されていて、 そこにプログラムを書いていく、 というような機械だった。 初期の BASIC はラインエディタの機能を備えていて、 少し後になるとスクリーンエディタ的な使い方ができるようになった。

UNIX の世界はどうだったろうか。 vi という有名なエディタがあって、これがゆるゆると進化しながら今でも使われている。 もう一つ大きな流れが Emacs というエディタで、 これは今に引き継がれている。 CP/M や MS-DOS、Windows という移り変わりの中で生まれて消えていったエディタが多数あるが、 UNIX から Linux という流れの中で、 伝説のエディタが今も使われているというのが面白い。

  

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