フィンローダのあっぱれご意見番 第176回「科学とSFのはざま」
温暖化の話、 面白いページを見つけたので紹介する。 釣りなのかギャグなのか、 と微妙に懐疑的になってしまったのだが、 もしかしたらCO2と温暖化が関係ないという逆のイメージを叩き込む目的で作ったのか、 という感じでさらに懐疑的になってしまったりする。 論文ってこういう書き方するよなぁ、 みたいな妙なところに感心しながら何度も読んでしまったのだが、 ロジックが 巷でよく見かけるCO2温暖化原因説の典型的パターンなので紹介した。 私の知っているCO2温暖化説の根拠は、殆どこのパターンだと思う。 論文風の書き方なのはよい。 参考文献も多くて説得力がある。 しかし、 トンデモとまでは言わないが、 これは厳密にいえば科学ではない。 何かの理論が科学となるためには、 理論を裏付ける証明された原理、自然法則があり、 理論値を計算式等から推測し、 実験し、測定した実測値と比較して検証する、 というような科学的プロセスが必須なのである。 検証されていないものは、SFなのである。 単なる空想、想像、仮説に過ぎない。 理論だけでは、一般に科学とは評価されないのである。 特に重要なのは、第三者による検証だ。 同じ実験をしたときに常に同じ結果が得られる、 そこまで行って初めて科学として社会に認められるのだ。 CO2温暖化説の主張には、 電磁波の波長がどうで熱が吸収されて、という話が必ず出てくる。 分子模型を図示したサイトも多数あるはずだ。 さらに温室効果がどうとかいう話も人気が高い。 これらは一見理論的なのだが、 最も重要な話は意図的に隠されているのである。 つまり、 理論的にはCO2が濃度が今よりどれだけ増えると、 平均気温が何度上昇するかという計算式が出てこないのだ。 今のCO2濃度は大雑把にいって400ppm程度らしい。 これが今より10%増えたとしよう。つまり、440ppmになったとする。 この時に理論上は平均気温は何度上がるのだろうか。 10℃か? それとも 0.01℃なのか? もしCO2温暖化説が科学であるとすれば、 まさに今出てきた「理論」こそが科学なのである。 では、その理論値を計算する数式を見たことありますか? ないと思う。 だって、 そんな式は今の地球には存在しないのだ。 仮にCO2濃度が増えたら気温が上昇するという理論が正しいとしても、 一体何度上がるのかという重要なことが分からないのである。 もちろん、全く何の数式もない訳ではない。 例えば、最近の気温の上昇している度合いから逆算して、何ppm増えたら何度上がる、 みたいな数式を出しているところがあったような気がする(でも思い出せない)。 要するに、まず CO2 が温暖化の原因ということにしておいて、 それにマッチした数式を創作しているのだ。 即ち、インチキである。 CO2が今より10%増えたときに、 平均気温が 10℃上がってしまうのか、それとも 0.01℃上がる程度の効果しかないのか、 その計算式すら導き出せないというのが現在の温暖化理論だ。 大学で研究しているレベルの人達なら、 これが科学の域にまるで達していないことは言うまでもないだろう。 こういうのはファンタジーか妄想か、あるいはSFの世界の話なのだ。 私はこの論文風の文章がトンデモだと言うつもりはないし、 CO2が温暖化に影響していないとも言ってない。 この情報だけではCO2が温暖化にどの程度影響するのかしないのか分からない、 という客観的解釈をしている。 プログラミングの世界ではメトリクスというのは結構重要であって、 アルゴリズムのここを改善したら全体が3割効率化できる、 のような評価はプロジェクトの進行中にも頻繁に行われる。 だから、それで数値的にはどうなのよ、 という思考パターンに敏感なのかもしれない。 プログラマー的発想なのかもしれない。 § | ||
そういえば、ここ最近、 CO2は一体どの程度増加したのだろうか、 と思ってササッと調べてみて驚いた。 最近稀に見る噴飯ものページの大バーゲン。 ちゃぶ台があったらひっくり返したい気分だが、 残念ながらちゃぶ台がない。 | ※ ちゃぶ台をひっくり返すのは星一徹の得意技とされている。 | |
どこも似たり寄ったりではあるが、 まず、ものすごく権威がありそうな気象庁のサイトに出ているグラフを紹介しよう。 気象庁 | 二酸化炭素濃度の経年変化 に出ている、 二酸化炭素濃度の変化グラフをご覧ください。 もう一つ凄いのを紹介しておく。 大気中のCO2濃度推移 である。 これを見てどうですか。 何とも思わない? むぅ。 え、凄い増え方だって? ちょっと待て。 それ危ないぞ。 本題と関係ないけど、これを見て「すごく増えてるなぁ」と思った人がもしいたら、 老婆心ながら一言。 あなたは悪徳商法に騙されるタイプだ。 十分気を付けた方がいいぞ。 特に1か月でン万円みたいなDMとかキター、 みたいなのはヤバい。 なぜなら、このグラフには有名な手法が使われているのだ。 縦軸に細工をして、 殆ど差がないデータを非常に大きな差のように見せかけているのである。 もし広告にこの種のグラフを使ったら公正取引委員会から警告されるかもしれない、 という位ヤバい手法である。 だから、温暖化の話に関連してこの種のグラフが氾濫している現実を見て、 勘だけどかなり確信した。 大気中のCO2濃度と温暖化、全く関係ないのではないか。 少しでも関係があるのなら、 こんなヤバい騙し方をする必要はないのだ。 ここまでするというのは、 もしかしたら、CO2と温暖化は関係ないことが既に科学的に実証されているのかもしれない。 そういえば、今それを発表するとCO2ビジネスが破綻するので、 意図的に隠している、という説をどこかで見たような気がする。 もちろん、このグラフは、 普通なら次のようになるべきだ。 こんな縦長のグラフは普通は書かない。 スケールがおかしいのだ。 縦方向に1/4に圧縮してみると、こうなる。 こんなグラフを見せると、 殆どの人は大気中のCO2濃度があまり変わっていないと思うだろう。 実際変わっていないのだ。 もちろん、実は1%や2%の変化が大変なことなんだ、 という意見があるかもしれないし、 実際そうかもしれない。 私見としては、それに関して特に否定する気はないし、同意する気もない。 どうなのかよく分からないからだ。 ただ、さっき URL で紹介したページのようにグラフを細工すると、 騙されやすい人は 「CO2濃度がここ最近で3倍に増えたのか」と誤解するだろう。 350ppmから380ppmに増えたというのは、3倍じゃなくて1.09倍、 増加したのは200%ではなく9%なのだが、 しかし、グラフの縦軸のかなりの部分がカットされていることで、 値が3倍になったような錯覚をしてしまうのである。 気温のグラフはどうなのだろう? どういうスケールにすべきだろうか? 気温を絶対温度を使ってグラフを書いたら、 27℃は300K。 つまり、1℃の気温変化は縦軸の1/300程度の変化に過ぎないから、 目で見ても温暖化が確認できない程度になってしまう。 2~3℃だとしても1/100程度だ。 しかし、実際に平均気温が2~3℃も変わったら大変なことになる。 もともと、気温というのは殆ど一定であって、ごく僅かの範囲で変化しているに過ぎない。 問題はその変化分なのである。 だから、変化がわかるように、変化した範囲の目視のための最適化をして表示するのだ。 何も騙そうという話ではないのである。 じゃぁCO2もいいだろ、と言われてみれば、 なるほど確かにそうなのかもしれない。 ところで、 綾里、南鳥島、与那国島の大気中のCO2濃度の変化がグラフ化されているのを見て思いついたのだが、 これだけ細かいグラフが書けるのは、そこに気象庁の観測所があるからだ。 気象庁の観測所があるのだから、 当たり前だが、 気温も測定しているはずだ。 CO2の濃度変化のグラフに気温の変動を示すグラフを重ねたら、 CO2と温暖化の関係が検証できるのではないか? 先に、科学は検証が重要だと力説した。 だから、そんなの簡単に見つかるだろう、 と思って Web 中探しまくったのですが、どうにも見つからない。 探し方が悪いのだろう。 という訳だから、仕方ないので自分で重ねてみた。 OpenOffice を使ってグラフ化したのだ。 はい、まともに描く暇なんかないからテキトーです。 下のピークを縦棒と重ねてしまったから、多分2か月程度ずれていますが、愛嬌です。 とても下手です。 スケールとかどうしていいのかサパーリ分かりません。 重ねたのは与那国島の気温変動データを月毎にプロットしたものだ。 数値データは気象庁が公表しているので、 皆さんもグラフを描いて重ねることができるはずだ。 ちなみに、今回のデータが get できる URL は、 http://www.data.jma.go.jp/obd/stats/etrn/view/monthly_s3.php?prec_no=91&prec_ch=%89%AB%93%EA%8C%A7&block_no=47912&block_ch=%97%5E%93%DF%8D%91%93%87&year=&month=&day=&view=a2 です。 テキトーにやったら、こうなってしまいました。 で、ごめんなさい、 こういうの下手だなー、というのを再認識した。 どう工夫してもCO2と連動して気温が上がっていくグラフにならないのだ。 スケールをうまく設定すればCO2濃度と連動するようにできそうな気もするのだが、 誰かうまく説得力のあるグラフを作ってくれませんかね? 最後に参考になるサイトを紹介しておきたい。 らくちんランプ: 大気中CO2濃度は上昇しているのに、平均気温は上昇していない に紹介されているリンク、 What the Stations Say に、最近の気温の変化がグラフで多数紹介されている。 これを見ると、温暖化が進んでいるのは都市に限られている、 というのがよく分かる。 ちなみに、 南極大陸のアムンゼン基地のグラフには、 CO2の濃度が重ねてプロットされている。 感想は書くまでもないから書かない。 |
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